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【知っておきたい】事業承継とは

なぜ事業承継対策が必要なのか

積極的に行動しなければ事業承継はままならない

企業にとって、事業承継は避けて通れない問題です。

とくに中小企業は、後継者が確保できず廃業に追い込まれてしまう場合も。ここでは実際に、事業承継を行った会社の事例を紹介します。

また、親族に承継したケース、M&Aによって第三者に承継したケースをそれぞれまとめました。

親族による事業承継事例

ハーブ・アロマテラピー関連事業の事例

アロマテラピーに関連する原材料の輸入や、製品の企画から販売などを行っているA社。全国に90店舗の直営店を有しているほか、アロマテラピーに関するカルチャースクール、サロンなどを運営しています。

現社長は、大手コンビニエンスストアに3年間勤め、25歳の時に父が経営している会社に入社。1年間経営後継者研修で学んだ後、社業に従事しました。

その後すべての実務を経験し、33歳の時に取締役経営室長に就任。39歳で社長に就任し、人事・給与・人事考課などの制度の整備を行いました。さらに新部署を創設し、事業の成長のための組織作りを開始。

父である前社長は、現社長が経営に集中できる環境を整えるため、時間をかけて計画的に株式の移転を進めました。

事業は急速に成長し、年商は3倍以上、従業員の人数も約3倍へと増加しました。その後も安定した経営を続け、現在は次の後継者への承継の準備を進めているそう。

ラーメンチェーン店の事例

昭和47年創業のラーメンチェーン店展開を行う会社。2008年11月現在、国内に105店舗、中国を中心に海外に330店舗を展開しています。

現社長は現在40歳。父の死去に伴って、28歳の時に社長に就任しました。大学卒業後一度は大手飲食チェーンへの就職を考えたものの、父が高齢だったことから、すぐに会社に入ることになったそう。入社後店長を経験した後、中小企業大学校が実施している経営者管理者研修を受講しました。

社長就任後、まずは現状維持に努め、できるところから少しずつ改革を始めました。最初に取り組んだのは、イメージを変えるためのロゴの変更。多店舗展開と味の均質性を維持するための体制の見直しなどを行い、国内海外ともに着実に出店エリアを拡大しています。

現社長は後継者問題について、「親が夢を持ち子供や従業員に夢の実現に向けて頑張っている姿勢が伝われば、子供は親の夢を引き継いで実現しようと考えてくれるのではないか」と語っています。

光学部品製造会社の事例

半導体や液晶製造装置などの産業機械、デジタルカメラなどの映像用機器用光学高性能レンズを主力製品とする会社。現社長は51歳、大学卒業後大手メーカーで4年間勤務した後、26歳で入社しました。

中小企業大学校の経営者後継者研修を受講し、一社員としてスタート。現場で生産関連を担当していましたが、前社長の死去により37歳で社長に就任しました。

もともと大学でソフトウェア開発を学んでいた現社長は、父の会社に戻ってからは製造現場の仕事を希望し、一から製造に携わりました。それによって他の従業員との関係を築くことができ、理想としていた自由な雰囲気が形成されるようになったと語っています。

突然の就任だったことから、後継者として外部関係者への周知が十分に行われていませんでした。しかし幹部や先輩社員などから厚い信頼を得ていたため、支援や協力を受け外部との信頼関係もスムーズに築くことができたのだそうです。

同社は高い技術力で評価を得ており、従業員数は社長就任時の約200人から、約360人へ増加。地域の雇用問題にも貢献しています。

M&Aによる事業承継事例

機械メーカーの事例

立型射出成形機の分野で国内トップシェアを占めた実績のある機械メーカー。顧問の公認会計士から、計画的に事業承継の準備を進めるようにアドバイスされ、実行していました。

同社の社長には息子がいましたが、全く別の分野を大学院で学んでいたため、親族への承継は断念。10年に及ぶ試行錯誤の末、第三者への承継を選んだのです。

取引銀行を通じて、上場企業の樹脂成型加工メーカーと出会いました。現在の事業を引き継ぐこと、社名とブランドを残すこと、社員を全員引き継ぐことの3つを条件にM&Aが成立。全株式の約70%を譲渡して、子会社となりました。

大手企業の傘下に入ったことにより、これまで弱かった海外への販売拡大のチャンスが到来。また、開発・調達コストの削減も可能になりました。

前社長は、1年間社長として留まった後、現在は相談役として製造の現場を見守っているそうです。

切断加工機の製造販売メーカーの事例

切断加工機を製造販売する年商約2億円の会社。独自に開発した「ダイヤカットマシン」は、切断スピードの速さ、材料の切断ロスの少なさ、刃の寿命の長さなどの特長から、宇宙開発、宝石・セラミックス・石英ガラス加工、半導体製造、航空機製造等の分野で採用されています。

このマシンを開発した社長には2人の娘がいましたが、会社を継ぐ意思はなく、長年の付き合いがあった刃物やのこぎりなどを扱うメーカーに事業を譲ることにしました。

仲介業者やアドバイザーなどは通さず、社長同士で条件を決定。契約書は弁護士に依頼して作成し、契約を行いました。ブランドや事業を引き継ぎ、顧客や社員に影響がないよう心がけたことで、円満な承継となったそう。「お互いに欲張らず割り切った気持ちがないと、円満なM&Aは成立しない」と前社長は語っています。

ドラッグストアの事例

県内に12店舗を展開する地方のドラックストア。業績は順調に推移していたものの、大手ドラッグストアチェーンが続々と地方展開を進める中で、単独での事業継続に不安を感じていました。

当時社長は50代でしたが、後継者となる親族がいなかったことも悩みの種。自身の健康状態の不安もあり、全国チェーンへのM&Aを考え始めました。

M&Aの仲介会社に相談した結果、候補として大手ドラッグストアの名前が挙がりました。そのドラッグストアは、全国チェーンを展開しており、M&Aの経験も豊富。願ってもない相手と、株式譲渡によるM&Aが成立しました。

現在、展開していた12店舗は、店名や従業員はそのまま営業を続けています。前社長は引き続き相談役という形で、業務を続けているそうです。

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