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業種別に見る
M&A
事例集

単に会社の経営権を売ったり買ったりするということではありません。売り手側も買い手側も、お互いの経営理念や事業の在り方などを理解して融合を目指すことが大切です。

このカテゴリでは、そんな円満で価値のあるM&Aに成功した事例を紹介します。

製造業のM&A事例

大手企業と中堅企業のM&Aが多い

食料品、飲料、医薬品、アパレル、印刷などジャンルが幅広い製造業。大手グループと中堅企業がM&Aを行うことによって、譲受側は他地域への展開が容易になる、新技術の開発能力を獲得できるというメリットがあります。

また、譲渡側は社員の雇用や後継者問題の解決、生産性が向上するなどのメリットが期待できるでしょう。

情報通信業のM&A事例

買収・被買収問わずM&Aが活発に行われている

あらゆる場面でIT化が進む現代。情報通信業を営む会社も増えてきているため、M&Aの需要も同じく増加傾向にあります。同業種はもちろん、異業種の新規事業参入など、情報通信業とのM&Aを考える企業は多くいるようです。

創業から数年の会社でも、大手企業に希望通り買い取ってもらえたというケースもあります。

医療/福祉のM&A事例

今後さらにM&Aによる再編が見込まれる業界

病院、保育、老人ホーム・介護などの医療・福祉業界。医療市場においては、今後もスケールメリットを活かすため、大手医療法人が積極的に買収を行っていくことが予想されます。

中小規模の医療法人は、今後も厳しい経営状態が続くと考えられますが、医療という事業の特性上廃業することは難く、売却や事業譲渡は、今後もさらに増加していくでしょう。

調剤薬局のM&A事例

とくに大手チェーンによる地域の調剤薬局買収が顕著

処方箋の処理枚数が売上に直結するため、処方元となる医院との関係が事業のカギとなりますが、近年では分業率も頭打ちになりつつあり純新規での出店が難しくなってきています。

売上を増やす最も効果的な手法として、中小規模の調剤薬局を、大手薬局チェーンが買収する業界再編が進んでいます。現在は売り手市場にありますが、今後のことを考えると、売却希望の場合は早めに検討することをおすすめします。

サービス業のM&A事例

業界問わず、人材派遣業のM&Aが活発

人材、コールセンター、アウトソーシングなどを行うサービス業。なかでも人材派遣業においては、経営悪化により売却を希望する中小企業が増えており、M&Aが活性化しています。

労働派遣法改正が行われたことによって、資本系派遣会社を独立系派遣会社が買収するというケースが増加。業界再編は加速している状態です。

建設業のM&A事例

大手企業による中堅企業の買収が活発

建設業は、業界の特性によって再編が起こりにくいといわれてきました。

しかし最近は、商圏の拡大や人材不足の解消を目的としたM&Aが増加しています。大手ハウスメーカーが中堅ゼネコンを次々と買収しているように、業界の枠を取り払った再編の動きが見られます。今後もさらに建設業界の再編は加速していくものと見込まれます。

卸売業/小売業のMA事例

急速に業者同士の合従連衡が進む

近年、流通業界において大きな構造変化があり、卸売業を取り巻く環境は厳しさを増しています。中国経済の減速などの影響で鉄鉱石、石炭などの資源価格が下落。一方で、食品や金融、機械などの非資源分野が業績をけん引しています。食品卸業界では、海外展開を見据えたM&Aが急増。業務用卸業界では、市場縮小による競争激化を背景に、グループ強化や新事業進出を目指したM&Aが相次いでいます。

M&A成功を失敗事例に学ぶ

事例1 交渉の過程で欲をかきすぎてしまった

順調に進んでいた交渉が白紙の状態に…

後継者不在でM&Aを検討していたA社。企業価値が高い今のうちに、会社を売却したいと準備を進めていました。コンサルティング会社に相談すると、すぐに買い手候補への打診がスタート。業績が好調だったことに加え、優秀な人材が揃っていたこともあり、多くの会社が買収を希望しました。

A社の社長は、コンサルティング会社と相談の上、2社に絞り込み面談を開始。交渉は順調に進んでいましたが、「もっと良い会社があるのではないか」「候補を探すエリアを広げれば、もっと良い条件で買い取ってくれる会社があるのではないか」という思いから交渉を中断してしまいました。

買い手候補はこれによって不信感を抱き、進んでいた交渉は白紙の状態に。担当のコンサルティングはこれ以上良い条件はないと判断し、説得を行ったそう。それによってA社の社長が交渉中だった相手企業に謝罪をし、それを受け入れてくれて1社となんとかM&Aを成立させることができました。

事例2 簿外債務の発覚により失敗

デューデリジェンスで残業代の未払いが見つかり破談

ここ数年で業績が悪化し、自力で経営を続けていくのが難しいと判断した建設会社の社長。大手企業の傘下に入ることで、経営を立て直すことを決断しました。

社長はM&Aのアドバイザリー会社に相談し、候補となる企業を探し始めました。名乗りを上げたのは、とある大手の建設会社。申し分のない相手だったため、早速基本合意を締結。買い手企業はデューデリジェンスを開始しました。

調査は順調でしたが、ある時、買い手の企業にとって大きな負担となる簿外債務があることがわかったのです。それは、過去数年間の従業員に対する残業代の未払いでした。合計額は相当な金額で、アドバイザリー会社もその事実は知らなかったとのことです。

多額の負担を背負うことはできないと判断した買い手企業は、M&Aを見送ることに。隠し事をしていたことで、社長とアドバイザリー会社との信頼関係も崩れてしまいました。

このように隠し事が後から発覚した場合、相手企業はおろか、パートナーとなるM&A会社からの信用も失ってしまいます。もし事前にM&A会社に相談していれば、結果は違ったかもしれません。羞恥心や恐怖心が招いた残念なケースであると言えます。

事例3 従業員から不信感を抱かれ失敗

早すぎる報告が従業員の不安を煽る結果に

後継者不在に加え、自身の健康状態にも不安を感じ始めた小売業C社の社長。事業の縮小を決意し、複数ある事業の半分を同業他社に譲渡することにしました。

買い手候補は思ったよりも早く見つかり、交渉は順調。不安を感じないように、早めに伝えておいた方が良いと思い、譲渡する事業の従業員には、譲渡を検討した経緯や交渉した買い手候補の印象などを細かく伝えていました。

交渉が最終段階に入ったところで、新たな会社が名乗りを上げました。検討すると最初に交渉を進めていた会社より高い買収金額を提示。従業員の待遇は劣っていましたが、手残りが多ければ引き続き行う事業にも、家族にもプラスになると考え、2つ目の会社に譲渡することを検討し始めました。

しかしそれを知った従業員は激怒。「自分の手元に残るお金が大切で、従業員のことなどどうなっても良いと考えている」とボイコットしてしまったのです。

コンサルティング会社の助けを借り、最終的には1社目の会社と契約することに。従業員の誤解も解け、なんとかM&Aは成立となりました。

事例4 オーナーの急死

理事長が急死したことにより相続トラブルが勃発

地元住民からも頼りにされ、業績も好調だった医療法人D。しかしある日突然、理事長が急死してしまいました。理事長には妻と娘がいましたが、どちらも医師ではないため、跡を継ぐことができません。

このままでは、今まで頼りにしてくれていた地域の人や職員に迷惑がかかってしまいます。また、多額の相続税もどうにかする必要があります。

追い詰められた理事長夫人は、コンサルティング会社に依頼することに。

しかし、依頼してからすぐに買い手が見つかるというわけではありません。遺された妻と娘は、自宅などの資産を手放し、相続税を納めることになってしまいました。