誰に事業承継すべきか【3つのパターン】

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【知っておきたい】事業承継とは

誰に事業承継すべきか【3つのパターン】

後継者には3つのパターンがある

事業承継を行う場合、その後継者は「親族」、「従業員」、「第三者」、という3つのパターンに分けられます。

最適な選択肢は企業が置かれている状況や業界動向などによって違うため、一概には言えません。それぞれの後継者にどういった特性があるのかを踏まえ、自身の条件に照らして検討していくことが大切です。

以下に、検討段階で押さえておきたいそれぞれの承継パターンの流れとメリット、デメリットを解説します。

相続や生前贈与による親族への事業承継

息子や娘、その他親族に会社を引き継ぐ「親族内承継」。

最も馴染み深い方法ではありますが、それなりにリスクも伴います。承継の流れや注意すべき点、成功するためのポイントを見ていきましょう。

メリットとデメリット

【メリット】

  • これまでの経営理念や体制が承継しやすい。
  • 従業員や取引先などの理解・同意を得やすい。
  • 現経営者が安心感・満足感を得られる。
  • 後継者を早期に確保できるので、事業承継の準備が十分にできる。

【デメリット】

  • 後継者候補に跡を継ぐ意思がない場合、承継するのが難しい。
  • 子どもや親族が複数人いる場合、後継者選びが難しくなる場合がある。

親族内承継の流れ

親族への事業承継を行う場合、まずは後継者を選ぶことから始まります。現経営者の子息が多数派ですが、他に適格者がいれば誰を選んでも構いません

後継者候補が決定したら、次は会社を率いるに相応しい人材に育成をしなければなりません。ケースバイケースですが、親族内承継を行うのであれば、10年はかかると思っておいた方が良いでしょう。

一般的には、他企業に就職させたり、同列の子会社に出向させたりといった方法が採られます。また、会社内のさまざまな部署を体験させて経験を積ませる方法もあります。

承継後の経営を安定させるため、株式の分散を防いだり、分散している株式を買い戻したりといった作業も重要です。株式や事業用の資産をなるべくまとめて、後継者に引き継ぐわけです。

経営の能力や感覚はすぐに身に付けられるものではないため、時間をかけて資質を備えさせる必要があります。また、会社の役員や取引先などへ周知をし、後継者がスムーズに業務に馴染めるよう、根回ししておきましょう。

親族内承継でよくあるトラブル

親族内承継には、現在の経営者が死亡した場合の相続による承継と、生前贈与による承継があります。相続には相続税が、生前贈与には贈与税が課税されるため、その金額によっては後継者に多額の負担が発生します。

とくに経営者が死亡した場合、準備ができていないケースが多く、自宅やその他資産を売却して納税に充てるといったトラブルが考えられます。

また、後継者が思うように育たず、引継ぎがスムーズに進まないトラブルもあります。

後継者の能力に応じて、後継者をサポートしてくれる人材を育成したり、古株の役員に相談役として付いてもらったり、新たな組織編成を検討しておくことも大切です。

成功させるポイント

経営者が健康なうちに、早め早めに準備を進めておくことが大切です。とくに税金トラブルについては、家族の将来を左右する事項なので、慎重に準備を進められるとよいでしょう。

親族内承継は時間がかかります。健康状態の問題から、準備期間が足りなくなってしまう場合もあるので、承継を決めたらできるだけ早くから準備を始めましょう。

日々の業務の中で事業承継の準備を進めるのは大変ですが、後回しにせず、現経営者が能動的に準備を進めることがポイントです。

従業員への事業承継

すでに事業に携わっている従業員に承継するという方法です。

MBO(マネジメントバイアウト)とも言われています。どんなメリット・デメリットがあるのか、承継の流れ、注意点などを見ていきましょう。

メリットとデメリット

【メリット】

  • 仕事の内容や取引先情報などに精通しているので、後継者の育成時間が短縮できる。
  • 意欲の高い人材が多い。
  • 経営方針や体制もそのまま引き継がれることが多い。
  • 親族に後継者候補がいなくても、会社の経営を存続することができる。
  • 経営方針や体制が劇的に変化することが少ないので、他の従業員や取引先からも受け入れられやすい。

【デメリット】

  • 従業員に株式を買い取れるだけの資金がない場合が多い。
  • 銀行などから融資を受ける場合に、連帯保証人になる必要がある。
  • 経営理念や体制をそのまま引き継ぐことが多いため、経営改善が遅れることがある。

従業員承継の流れ

従業員への事業承継を行う場合、MBO(役員が株式を買い取って、経営権を取得する方法)と、EBO(従業員が株式を買い取って経営権を取得する方法)があります。どちらの場合でも、まずは後継者を選ぶことから始まります。

事業承継を従業員に対し行う場合、その従業員が株式を買い取る必要があるのですが、株式を買い取れるだけの資金を持っていないことが多々あります。その場合、株式を買い取るための資金を調達する必要があります。

また、業務についての教育は必要ありませんが、経営面での知識や能力を身に付けさせなければなりません。他の従業員や取引先の協力が得られるよう、働きかけることも大切です。

注意点

従業員や役員に承継させる場合、人選はとても重要です。経営者としての資質があるだけでなく、社内外に受け入れられる人柄かどうかにも目を向けなければなりません。

また本人の了承は早めにとっておく必要もあります。できれば事業承継の計画を立て始めた段階で打診を行い、いっしょに承継プランを考えてもらうとよいでしょう。

従業員承継の3つの方法

従業員承継には、3つの方法があります。1つ目は従業員や役員に株式を売却するという方法。後継者は会社の経営権はもちろん、会社の所有権も持つことができます。

2つ目は株式を贈与、もしくは遺贈する方法。従業員や役員が株式を買い取るだけの資金力を持っていない場合に有効となります。3つ目は、後継者に株式を移転することなく、経営者が株式を持ち続けるという方法です。後継者は経営権だけを持つことになります。

第三者への事業承継

最近増えてきているのが第三者への事業承継、いわゆる「M&A」です。親族や従業員への承継とは流れが大きく異なります。

流れや成功するためのポイントをしっかり押さえておきましょう。

メリット、デメリット

【メリット】

  • 相手先企業はすでに経営面でのノウハウなどを持っているため、後継者を育成する必要がない。
  • 親族や従業員の中に後継者候補がいなくても、会社の経営を存続することができる。
  • 株式や事業を譲渡するだけなので、資金調達する必要がない。

【デメリット】

  • 親族や従業員に事業承継した場合よりも、現在の経営者にとって喪失感が大きい。
  • 会社の規模や業績によっては、買い手候補の企業を見つけることが難しい場合がある。

M&Aの流れ

第三者への事業承継というのは、M&Aを利用した事業承継を指します。M&Aとは、いわゆる合併や買収により、会社の経営権を相手企業に譲渡することです。

M&Aによる事業承継を行う場合には、まず、M&Aの仲介業者を見つけることから始まります。

その後、仲介業者と相談の上で、譲渡価格を決め、買収候補企業との交渉に入ります。価格や形態など、基本的な条件が合意されると、対象企業である自社の調査や評価が行われます。このときに将来的なリスクと考えられる事案が出てきた場合、基本条件を見直して調整を行います(この段階で交渉決裂ということもあります)。

企業の調査・評価が終わり、最終交渉が合意されると、契約が結ばれ、手続きは完了します。

成功させるポイント

M&Aを行う上で、最も大切なのが支援会社選びです。

M&Aには専門的な知識はもちろん、相談した企業の背景や経営者の心情が深く関わってきます。信頼できるパートナーがいるのといないのとでは、成果に雲泥の差が出ます。

買収を決意したとしても、「社名を残したい」、「従業員を手厚く迎えてほしい」、「自身も従業員として残りたい」、など、譲れないポイントが必ずあることでしょう。そうした希望を交渉で通すためには、経営者と支援会社の担当者の密な連携が不可欠です。

自社の将来を左右する重大な取引ですから、パートナー会社を選ぶ際は、ノウハウや実績、理念等、幅広い情報を収集した上で決断されることをおすすめします。

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