M&Aとは ~事業承継やイグジットにおける注目の手法~

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M&Aとは
~事業承継やイグジットの手法として~

幸せになれるM&Aとは

2018年の1年間で成立したM&Aは、全国で4,000件弱。2017年の件数が3,000件少々であったことを考えると、今後も全国でM&Aの流れは加速すると考えて間違いありません。

今後の会社の在り方を考える上で、M&Aを検討している経営者に向け、ここでは、M&Aの概要を網羅的にご紹介します。

売却を検討中の経営者の方はもとより、買収を検討中の経営者の方もご参考ください。

幸せになれるM&Aとは

M&Aとは

M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略。Mergersとは「合併」を意味し、Acquisitionsとは「買収」を意味します。「合併」とは、2つ以上の会社が一つになること、「買収」とは、ある会社が別の会社を買うことを言います。

M&Aの目的

幸せになれるM&Aとは 幸せになれるM&Aとは

M&Aの目的には、主に以下の3つがあります。

1. 経営を統合してシナジー効果を狙う
会社を統合することにより、両社は自社の弱点を補完し合うことができます。あるいは、両社で重複している部分を縮小し、経営の効率化を図ることができます。
双方の特徴を合わせることで経営上のシナジー効果を狙うことが、M&Aの第一の目的です。

2. 市場への変化に迅速に対応する
急速な変化を続ける各種市場において、自社の資源だけでは、その変化のスピードに対応できないことがあります。市場にスピーディに対応するためには、すでに資源が育っている他社と経営統合を図るほうが、より効率的であることも少なくありません。
市場の変化に乗り遅れないようにすることが、M&Aの第二の目的です。

3. 後継者不在の企業を存続させる
昨今、半ば社会問題化しているのが、中小企業における後継者不在の問題。地域では優良企業であるにも関わらず、後継者がいないために廃業を余儀なくされている中小企業も多く見られます。
中小企業は地域経済の、ひいては日本経済の財産。第三者が承継することで日本の大切な財産を守り続けることが、M&Aの第三の目的です。

M&Aの方法

M&Aの目的には、主に以下の3つがあります。

M&Aには多くの方法があります。代表的な方法が株式譲渡。譲渡企業の株式を譲受企業に売却する方法です。中小企業のM&A実務のうち、実に約9割程度が株式譲渡を採用しているとされています。

ほかにも新株引受、株式交換、事業譲渡、吸収合併など、経営者の目的や当該事案の環境の違いなどにより、方法はさまざま。それぞれの方法の詳細は後述します。

日本におけるM&Aの歴史

M&Aの目的には、主に以下の3つがあります。

M&Aという言葉が一般化したのはここ数十年のことですが、言葉こそ定着していなかったものの、財閥系を中心に、すでに日本では1800年代から多くのM&Aが行われていました。

M&Aで急拡大した代表的な企業が、第一次世界大戦中に台頭した鈴木商店。M&Aを通じ、一時は三井財閥や住友財閥をしのぐほどの企業規模に成長したとされています。

鈴木商店は、のち金融恐慌の影響で破綻。傘下にあった企業の中には、親会社だった鈴木商店の手法にならってM&Aで復活ところもありました。現在のサッポロビールや帝人、神戸製鉄所などは、破綻した親会社・鈴木商店からM&Aで再生を果たした企業です。

第二次世界大戦後になると、GHQによって財閥が解体され、その後しばらくM&Aが下火となりました。しかしながら1980年代のバブル経済期、資金体質が改善した多くの日本企業は、円高の追い風を受けて海外企業の買収に着手。バブル崩壊後には、コスト削減などの経営体質強化のために、さらにM&Aは加速しました。

2005年以降になると、ライブドアや楽天などに見られた、いわゆる敵対的買収が脚光を浴びます。そして現在は、中小企業の後継者不在問題を背景にする事業承継型M&Aが、全国のM&A案件の主流を占めるようになってきました。

近年のM&Aの動向

近年、M&Aの成約件数は、急速に上昇しています。M&Aが半ばブームだったとされたバブル期当時ですら、年間の成約件数が500件前後でした。一方で2018年には、バブル期の8倍弱にもあたる3,850件ものM&Aが成約しています。

なぜ、これほどまでに国内では多くのM&Aが行われるようになったのでしょうか?その背景には、近年特有の経済事情があります。M&Aの成約件数を加速させている3つの経済的要因を確認してみましょう。

後継者の不在

中小企業の後継者不在問題が深刻化しています。2019年現在、国内にある中小企業のうち、実に65%以上の企業が後継者不在問題を抱えていると言われています。

後継者不在問題に陥る主な理由として、主に次の2点が挙げられています。

1. 子息が別の道で独立している
たとえ経営者に子息がいたとしても、すでに子息は別の道で独立しているため事業を継ぐつもりがない、という声は多く聞かれます。また、一流企業に勤める子息や士業として独立している子息を、リスクのある事業経営に就かせることはできない、という親心もよく聞かれます。
もとより子息がいない経営者もいますが、その点は現代に特有の問題ではありません。

2. 従業員に会社を承継する力がない
子息や親族に事業を継がせられないならば、既存の従業員に事業を継がせるという方法があります。
しかしながら、そもそも従業員に経営能力がなければ、安心して事業を継がせることはできません。また、社長が持つ株式を譲り受ける資金力がない場合、従業員は事業を継ぐことができません。

1995年から2015年の20年間で、中小企業の経営者の平均年齢が47歳から66歳へと上昇しています。経営者の高齢化が進む中、後継者不在問題を抱えた企業の中には、廃業ではなくM&Aを選択するところも増えてきたようです。

市場規模の縮小

バブル期以降に長く続いた景気低迷により、日本市場は著しく縮小しました。加えて、少子高齢化の構図がまだまだ続くことが確定している中、市場規模の拡大を望むことは難しいでしょう。

市場の縮小に伴い、各企業間の競争は激化。生き残りを図るための一つの手段として、M&Aという選択肢が採られることがあります。M&Aを通じ、事業の安定化や新規事業への参入を図るというものです。

なお近年では、国内市場の拡大が見込めないことを背景に、M&Aを通じて海外展開を図る企業も増加してきました。

設備の老朽化

市場規模の縮小により経営体力が落ちた中小企業の中には、設備の刷新を図るほどの資金力がない例も見られます。一方で、老朽化した設備を使い続けることでメンテナンス費用も拡大。刷新もできなければメンテナンスもままならない、という2つの打撃を受けている中小企業も少なくありません。

結果、現状のまま経営を存続することに行き詰まりが生じ、M&Aを通じて大手資本の傘下に入る、という例も少なからず見られるようです。

M&Aの手法・種類

M&Aの手法には様々なものがあります。資本の移動を伴わないM&Aの手法も加えれば、M&Aには実に15種類もの手法があるとされています。これらM&Aの手法のうち、以下、代表的な4つについて詳しく見ていきましょう。

株式譲渡

株式譲渡とは、譲渡企業の株式を譲受企業が買う手法のこと。何%を買うも双方の話し合い次第ですが、通常、M&Aを目的として中小企業の株式譲渡では100%の株式が異動します。

株式譲渡の大きな特徴の一つが、手続きがとても簡素であるということ。よって、多くの中小企業においてM&Aの際に採用される最もメジャーな手法となっています。

◆譲渡企業のメリット・デメリット
譲渡企業における第一のメリットは、手続きが簡素なこと。譲渡案件の公表からM&A成立までに、わずか1ヶ月程度しかかからない案件もあるほどです。また、M&Aとは言え単に株式の名義や経営者が変わるだけなので、社内の業務や取引先との関係が急激に変わることはありません。M&A成立後も、従業員や取引先がこれまで通りの流れで仕事をすることができるという点は、とても大きなメリットでしょう。
なお、株式譲渡における目立ったデメリットはありません。敢えて挙げるならば、従業員の労働意欲の低下でしょう。経営者が変わることに対する不安から従業員の姿勢が後ろ向きになってしまうリスクが、ないとは言えません。経営者は、従業員に会社譲渡を告げるタイミング等について、細心の注意を払う必要があるでしょう。

◆譲受企業のデメリット・デメリット
譲渡企業と同様に、手続きが簡素であるという点は、譲受企業にとっても大きなメリット。他の手法に比べてM&Aの手続きに採られる時間が短縮されることから、現状の業務に大きな影響を及ぼすこともないでしょう。
一方で、もし100%の株式を購入する形でのM&Aの場合、譲受企業は、譲渡企業の「すべて」を承継する形になります。「すべて」の中には、負債はもちろんのこと、簿外債務が存在する可能性もあるでしょう。株式を100%取得する場合、譲受企業はデューデリジェンス(事前調査)を徹底する必要があります。

事業譲渡

事業譲渡とは、主に事業の一部のみの売買が交わされるM&Aのこと。複数の事業を展開する会社が、不採算事業のみを売却して経営のスリム化を図りたい時などに用いられる手法です。譲受企業は、当該事業のみに関連する資産や負債を購入することになります。

◆譲渡企業のメリット・デメリット
譲渡企業にとっては、経営の効率化・スリム化を図れることが第一のメリットです。また、あえて優良事業を売れば、大きな資金調達を実現できる点もメリットでしょう。
一方で、株式譲渡に比べると、売却の手続きが煩雑になる点は大きなデメリット。当該事業のうち、どの範囲までをM&Aの対象とするかについて、譲受企業との詳細な打ち合わせが必要となります。また、その事業に関わる従業員においては「自分たちだけが売られる」という後ろ向きな気持ちになることも多く、M&A成立前に退職してしまう例もあるようです。

◆譲受企業のデメリット・デメリット
契約書に明記している対象のみを購入できる点が、譲受企業の最大のメリットです。よって、簿外債務を引き継いでしまうリスクもありません。よって、事前に行うデューデリジェンスにコストや労力を割く必要もなくなります。
一方で、簿外に存在するマイナス面を引き継がないということは、逆に簿外に存在するプラス面も引き継ぐことができません。長い信頼関係の中で構築してきた取引先との良好な関係が、断たれる可能性もあるでしょう。新たに各種の許可も取り直す必要があるなど、手続き面でのデメリットも避けられません。

吸収合併

吸収合併とは、譲渡企業のすべてを譲受企業の中に汲み入れるM&A手法のこと。吸収合併を通じて譲渡企業は解散し、合併前に譲渡企業に存在していたすべて(資産も負債も)が譲受企業の一部となります。譲渡企業で働いていた従業員はもちろん、経営陣までが譲受企業の社員として再スタートを切ることになります。

◆譲渡企業のメリット・デメリット
譲渡企業と譲受企業の経営陣の利害が一致するため、互いに協力関係を築きやすいことが吸収合併のメリットとなるでしょう。株式譲渡とは異なり、親会社・子会社の関係ではないので、従業員の待遇についても安心です。
一方で、株式譲渡とは比べ物にならないほどの作業量を伴うことが、吸収合併の最大のデメリット。コスト、時間、労力の問題から、手続きの途中で案件が頓挫する例も見られます。

◆譲受企業のデメリット・デメリット
譲渡企業と同様に、譲受企業においても両社の経営陣が同じ方向を向くことができる点がメリット。もちろん、合併によるシェア拡大も、譲受企業にとってのメリットです。
一方で、合併が成立するまでのプロセスが煩雑な点は大きなデメリット。また、もともと企業文化の異なる従業員が自社の従業員になることから、過渡期には人事評価等のバランスが取りにくいとも言われています。

株式交換

株式譲渡にせよ事業譲渡にせよ、譲受企業が譲渡企業を買収する際には、対価として多額の現金を支払わなければなりません。この現金の代わりに自社の株式を提供して買収を行うことを、株式交換と言います。

平成11年から認められた比較的新しいM&A手法ですが、すでに多くの実例もあることから、経営者の間では広く認知されています。

◆譲渡企業のメリット・デメリット
事業譲渡や吸収合併とは異なり、譲渡企業は譲受企業の一部になるわけではありません。親会社と子会社の関係になるだけです。よって、従来からの働き方に大きな変化が生じない点は、株式交換のメリットと言えるでしょう。
一方で、譲渡の対価を株式で交付されるため、経営者のもとには現金が入りません。譲渡企業の多くの経営者は、現金での交付を望んでいるため、この点はデメリットとなるでしょう。

◆譲受企業のデメリット・デメリット
現金を支払う必要がない点が、譲受企業の大きなメリットです。既存の株式ではなく、新株を発行して株式交換を行っても問題ありません。
一方で、手続きが非常に煩雑となる点は譲受企業のデメリット。迅速にM&Aを成立させたい企業には向いていない手法とされています。

譲受側のメリット・デメリット

以下、M&Aにおける譲受企業のメリットとデメリットを4つずつ、具体的に確認してみましょう。

メリット

一気に事業拡大を図ることができる
譲受企業における最大のメリットは、事業を一気に拡大できることでしょう。大半のM&A買収案件において、急速な事業拡大を第一の目的としています。
規模の限られた市場の中で、いかに多くのシェアを握るかは、経営における最大の課題。M&Aを通じシェアを拡大すれば、売上増だけではなく、取引先とのコスト交渉などもしやすくなります。
なお、市場におけるシェア拡大を第一の目的としたM&Aの事例として、イオンによるダイエーの買収や、日産による三菱自動車の買収が知られています。

他社の強みを自社のものにできる
他社が持つ強みを自社のものにできる点が、譲受企業が得られるメリットの一つです。
かつてパナソニックは、リチウムイオン電池部門と太陽電池部門を弱みとしていました。当時、両部門を強みとしていたのが三洋電機。パナソニックは、経営の問題も抱えていた三洋電機を買収することにより、自社の弱みを強みへと変えることに成功しました。

スムーズに多角化経営を行うことができる
特定市場でのシェア拡大に限界が見えた場合、より安定的に収益源を確保するためには、多角化経営も有効な方法。しかしながら、専門外の市場へやみくもに参入しても、当然ながら勝算はありません。
そこで有効な方法が、すでにその市場で一定のシェアを持つ企業の買収です。買収による多角化経営で成功した代表的事例が、楽天でしょう。楽天は、もともとネット通販の専業企業でしたが、M&Aを通じ、銀行、証券、クレジットカード、モバイル通信、生命保険、損害保険、不動産、薬局、写真館など、さまざまな市場への参入を果たしています。

事業の立ち上げにスピード感が生まれる
多角化経営に関連しますが、新たな市場で事業を立ち上げるためには、膨大なコストや労力、時間がかかります。M&Aを通じ、すでに目的の市場で一定のシェアを持つ企業を買収すれば、本来ならば新規事業の立ち上げにかかる労力や時間等が大幅に節減されます。スピーディな新規事業の立ち上げが実現することでしょう。

デメリット

必ずしも統合によるシナジー効果が生まれるわけではない
一般に譲受企業は、経営の統合によるシナジー効果を狙っています。自社の弱みと他社の強みを融合させ、総合的にバランスの取れた企業体質への変化を目的として買収を行います。
ところが、プランでは理想的なM&Aであっても、実際にシナジー効果が生まれるかどうかは、やってみなければ分かりません。場合によっては、以下の3つの理由により、M&Aをすることで、逆に企業体質が弱くなるリスクもあります。

優秀な人材が流出することがある
経営統合後の労働条件の違いや、統合後に生じることがある派閥争い等を理由に、優秀な人材が流出してしまうことがあります。譲渡企業から入ってきた優秀な人材のみならず、もとから自社所属だった優秀な人材すら流出してしまう可能性もあるでしょう。

偶発債務が潜んでいることがある
鴻海精密工業によるシャープの買収事案において、「偶発債務」という言葉が新聞紙面をにぎわせました。
「偶発債務」とは、訴訟などで生じる可能性のある債務のこと。将来的に債務となる可能性を秘めているという意味において「偶発債務」と呼ばれています。
「偶発債務」は、M&Aの成立時点では明確な債務ではありません。買収側はその存在に気付かないままM&Aを実行しないよう、入念なデューデリジェンスを行う必要があります。

企業文化の融合に時間がかかることがある
互いに異なる文化を持つ企業同士が統合することになるので、当然ながら、双方の文化の融合にはある程度の時間がかかります。システムの統合にも、相応の時間がかかることでしょう。
M&Aによるスピーディなシナジー効果を狙う経営者にとって、歯がゆい期間が長引くかも知れません。

M&Aの一般的な流れ

理屈の上では、M&Aを経営者同士のみの交渉で行うことも可能です。しかしながら、もっとも簡素であるとされる株式譲渡であっても、素人がやすやすと出来るような手続きではありません。相手企業の経営者がやり手であれば、自社に不利な条件でのM&A成立となる恐れもあります。よって、たとえ手数料がかかったとしても、M&Aの業務に詳しい専門家を通じて交渉・手続きを進めていくべきです。

以下では、専門コンサルタントを通じてM&Aを進める際の一般的な流れについて、12段階のステップに分けて詳しく解説します。なお以下は、譲渡企業側の視点からの流れになります。

1. M&Aをやるべきかどうか、方向性を決める
自社の課題や将来像などを整理し、選択肢の一つとしてM&Aを選ぶべきかどうか、よく検討します。この段階において、M&A仲介会社に相談してみても良いでしょう。一般に、この段階におけるM&Aの相談料は無料です。
会社を売却する意向が強いならば、早めに自社の強みを明確にしておくと良いでしょう。

2. M&Aを仲介してくれる会社を比較・選定する
M&A仲介会社を選びます。仲介会社の実績や熱意等により、最終的な結果は大きく異なります。M&A仲介会社選びは慎重に行いましょう。
なお当サイトでは、国内にある多くのM&A仲介会社の特徴や実績等を比較しながらご紹介しています。これら情報に加えて、各社の公式HPを参照したり、実際に仲介会社に足を運んでみたりなどし、信頼できるM&A仲介会社を選んでください。
M&A仲介会社を1社に絞ったら、仲介契約を結びます。この段階から料金がかかる仲介会社もあれば、まだ料金のかからない仲介会社もあります。

3. 売却希望価格の目安を決める
仲介会社のコンサルタントと相談のうえ、自社の売却希望価格の目安を決めます。最低売却希望価格も明らかにしておくと良いでしょう。

4. 買い手候補企業を探す
買い手候補企業を複数社リストアップします。リストアップするのは仲介会社のコンサルタント。依頼者は特に動く必要はありません。
少しでも有利に条件交渉ができる買い手候補を探せるかどうか、コンサルタントの腕の見せ所です。

5. 買い手候補企業を比較・選定する
リストアップした複数の買い手候補企業を、さらに厳選して数社に絞り込みます。この段階においても、一般には依頼者は動く必要はありません。気になるようであれば、担当コンサルタントに現状を確認してみましょう。

6. 買い手候補企業に自社情報を開示する
絞り込んだ買い手候補の数社に対し、仲介会社からM&Aの案件を提示します。提示された情報をもとに、買い手候補企業はM&A買収を行うかどうか、大筋を検討。具体的な相談に乗り出したいと判断した場合、仲介会社を通じ、依頼者に対して企業情報の公開を求めます。
なお、企業情報の公開を求められた場合でも、依頼者は自社の実名を公表する必要はありません。会社売却を検討中であるという情報が漏洩することはないので、安心して企業情報を提示してください。

7. 経営者同士で面談を行う
売り手・買い手の経営者双方が当該M&A案件に興味を示した場合、仲介会社を通じて、トップ面談を設定します。この段階で買い手候補を1社に絞る必要はなく、複数社のトップと面談を行っても構いません。
M&Aは、単純な事務手続きで済む話ではありません。文化や待遇、システムの異なる2つの会社が、経営の一部または全部を統合させることになるため、トップ同士、実際に話してみて肌が合うかどうかもよく確認しておくべきでしょう。

8. 基本合意契約を交わす
最終的な買い手候補を1社に絞ります。双方、M&Aの実行に着手する意志を確認し合ったら、基本合意契約を交わします。
基本合意契約とは、売却金額や経営統合後の従業員の処遇など、M&A成立に向けた大筋での合意のことを言います。
なお、M&A仲介会社の中には、この段階で中間金と呼ばれる手数料を設定しているところもあります。

9. デューデリジェンスを実施する
買い手企業は、売り手企業に対してデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスとは、売り手企業の実態を精査する手続きのこと。買い手企業の社員が調査するのではなく、買い手企業から依頼を受けた財務や法務、労務などの専門家が調査します。
スムーズに調査に対応できるよう、売り手企業の経営者は、信頼のおける社員のみに対し、現状を説明しておくようにしましょう。

10. 改めて両社でM&Aの条件を確認する
デューデリジェンスの結果を踏まえ、改めて両社が面談し、M&Aの条件を確認し合います。デューデリジェンスで大きな問題が発覚しない限り、概ね基本合意の内容に変更はないでしょう。

11. 従業員・取引先に報告したうえで本契約を交わす
従業員および取引先に、M&Aによって会社を売却する旨を伝えます。
会社が売却されることを知った従業員の中には、今後の処遇等に不安を抱く人もいるでしょう。安心して雇用が確保されることを、経営者は誠意を持って伝えてください。取引先に対しても、以後の契約状態が維持されることを伝え、安心してもらいましょう。
従業員と取引先への報告が終わったのち、買収企業とM&Aの本契約を交わします。

12. 統合作業(PMI)を行う
M&A成約後には、業務における様々な統合作業(PMI)が必要となります。人事、経理、総務、各種システムなどのハード面の統合以外にも、従業員の精神的なサポートが必要となってくるでしょう。
買い手にとってM&Aとは、経営統合によるシナジー効果、および企業の更なる成長を目指していくために行われるもの。目的を速やかに達成させるためには、M&A成約後のスムーズな統合作業が非常に大切です。統合に向けた段取りの詳細を、事前にしっかりと計画しておくべきでしょう。

M&Aの費用相場

M&Aの料金設定は、仲介会社によって大きく異なります。相談の段階から料金が設定されている仲介会社もあれば、M&Aの本契約に至るまで一切無料の仲介会社もあります。

以下、主に譲渡企業が支払う各種手数料の概要を確認しておきましょう。

相談料(0円~1万円程度)

上記「M&Aの一般的な流れ」の中の最初の段階「1.M&Aをやるべきかどうか、方向性を決める」の際、仲介会社に相談した場合に発生する費用です。

一般に相談料は無料ですが、中には1万円程度までの相談料を設定している仲介会社もあります。

着手金(0円~300万円程度)

上記「2.M&Aを仲介してくれる会社を比較・選定する」の段階で仲介会社に支払う手数料のことです。無料としている仲介会社もあれば、売却企業の規模によって300万円程度までの着手金を設定している仲介会社もあります。

仲介会社では、以後のさまざまな作業において人件費がかかります。この人件費に該当する費用が、着手金と考えてください。

なお、以後のプロセスでM&Aが未成立となった場合でも、着手金が返金されることはありません。

企業価値算定手数料(0円~数十万円程度)

自社の売却価格の目安を知るために、コンサルタント等の専門家に企業価値の算定をしてもらいます。この際、売り手企業に発生する費用が、企業価値算定手数料です。

料金は0円から数十万円までと、仲介会社によって大きな幅があります。

企業調査手数料(0円~数十万円程度)

逆に、買い手候補となる企業が売り手企業の企業価値算定を依頼した場合に発生する費用が、企業調査手数料です。もちろん買い手候補企業が支払います。

企業調査手数料についても、仲介会社により0円から数十万円と幅があります。

月額報酬(月額0円~100万円)

仲介会社の中には、M&A成約までのプロセスにおいて月額報酬を設定しているところもあります。コンサルタントの活動費と考えましょう。

費用相場は月額0円から100万円。月額報酬を完全無料とし、完全成功報酬型を採用している仲介会社も少なくありません。

中間金(成功報酬の10~30%程度)

上記「8.基本合意契約を交わす」の段階で仲介会社に支払う費用です。相場は成功報酬の10~30%程度。最終的にM&Aが成立したのち、残りの70~90%の成功報酬を支払います。

成功報酬(純資産の1~5%)

M&Aの本契約を結んだ段階で仲介会社に支払う費用です。中間金との差額である70~90%を支払うこともあれば、中間金を設定していない仲介会社(完全成功報酬型)においては、レーマン方式と呼ばれる計算式のもとで成功報酬が算定されます。

レーマン方式における成功報酬の目安は、売却企業の純資産の1~5%程度となります。

中小企業のM&Aは「株式譲渡」で行われることが多い

M&Aによる事業承継にはさまざまな種類がありますが、中小企業の事業承継で最も多いのは、「株式譲渡」です。

この方法は、買い手企業が売り手企業の株式を取得することで、売り手企業を傘下に入れるという方法。株式以外の手続きは特に必要ないため、他の手法と比べて最も簡単な手法です。

従業員や取引先にも、影響が及ばないことがほとんどです。

売り手と買い手、双方にメリットの多いM&A

M&Aを行うことで、売り手企業・買い手企業の双方に多くのメリットがあります。

売り手企業は事業を存続させられることはもちろん、従業員の雇用や取引先との関係を守ることができます。大手の傘下に入ることで、事業の拡大も目指せるでしょう。

また、買い手企業はすでに事業を行っている会社を傘下に入れることで、事業成長にかかる時間や労力を削減することができます。

大まかな流れを把握することでスムーズに進行できる

決まった手順をひとつずつ確実にこなしていかなければいけないM&A。どうしても専門的な知識が必要となるため、支援会社のサポートが必要不可欠となります。

大まかな手順について簡単に説明すると、相手企業を探すことから始まり、候補の中から絞り込んだ企業との面談、基本合意、条件交渉、最終契約、統合作業となります。

全てを完了するまでに、経営者はさまざまな準備をしなければなりません。まずは大まかな流れをきちんと把握しておくことが大切です。

支払わなければいけない金額は、支援会社によって大きく異なる

M&Aを行うためにはプロのサポートが不可欠です。そのためには当然、支援会社に支払う費用が必要となります。

多くの場合、着手金・中間金・成功報酬とそれぞれのタイミングで決められた費用を支払うことになりますが、いくら支払うのかは会社によって大きく異なります。

依頼する会社を比較検討する際は、どのタイミングでいくら支払うのかをしっかりチェックしておきましょう。

清算かM&Aか、メリットを比較してみよう

経営難や後継者不在の問題で、事業の今後を考えた時、「会社清算」と「M&A」という2つの方法で悩む方も多いでしょう。

それぞれメリットとデメリットはありますが、結論から言うと、M&Aの方が享受できるメリットが多いでしょう。清算を考えているのであれば、まずは一度M&Aの支援会社の無料相談を利用してみることをおすすめします。

M&Aによる事業承継には、
さまざまなメリットがあります。

後継者不在の企業を救うためのM&A

幸せになれるM&Aとは 幸せになれるM&Aとは

これまでは、親族、あるいは社員に会社を引き継ぎ、事業を存続させていくことを選ぶ経営者が多くいました。しかし最近では、後継者不在のためM&Aで事業を第三者に引き継ぐ経営者が増えてきています。

M&Aは、企業の合併や買収を表す言葉。事業承継の有効な方法ですが、株式や事業の売却を伴うことから、一昔前までは「大企業が地道に頑張っている企業を強引に吸収する」、というようなネガティブなイメージを抱いている人も少なくありませんでした。

しかし今では、事業承継を行う会社のうち、およそ3分の1はM&Aを活用しています。事業の拡大や成長のために売却をする企業ももちろんありますが、後継者不在問題を抱える中小企業では、事業承継の手段としてM&Aを行う人が増えているのです。

中小企業において、M&Aへのネガティブなイメージは薄れ、会社を存続させ成長させるための1つの方法としてニーズが高まっています。

今後の事業の成長や再生も期待できる

後継者不足を解決する以外に、事業の拡大や成長のためにM&Aを行う会社も少なくありません。自社に足りないものを持つ企業と組むことで、事業を強化したり、営業エリアや販路を拡大できるなど、多くのメリットがあるためです。

急激に人口が減少し、市場規模が縮小している現代では、必要な人材を確保することがますます困難に。M&Aを上手に活用することで、業績の悪化を食い止め、事業の成長や再生を図ることが可能となります。

また、業績が安定しているうちにM&Aを行うというのも1つの手です。表現は悪いですが、腐ったリンゴより、赤々としたおいしそうなリンゴの方がよく売れます。実際、競合に先んじて売却したことで、その後、急成長している企業も多くあります。

外的要因で経営状況が急激に変化することもありますから、業界動向にしっかりアンテナを張り、将来を見据えた経営判断をしたいところです。

引退か会社に残るか、自由に選択できる

M&Aによって会社を売却すると、現経営者は引退しなければいけないと考えている人も多いのではないでしょうか。実は、M&Aにはさまざまな契約形態があり、ハッピーリタイアをするか、会社に残り経営に携わるか、自由に選択することができます。

中小企業のM&Aは、ほとんどの場合「株式譲渡」によって行われます。一般的に、事業の全てを売却する場合、経営者などが持っている自社株式を買い手企業に譲渡することによって、経営権は買い手企業側に移ります。

売り手企業の経営者は、創業者利益を受け取ることができるため、そのまま引退をして第二の人生を歩み始めるという方もいるでしょう。

しかし、自社株式全てを譲渡せず、一部を手元に残せば、株主として会社経営に関わることができます。また、たとえ全ての株式を譲渡する場合でも、社員や経営者として会社に残ることは可能です。実際、最近はそういった道を選択する方も増えています。

譲渡までのイメージ作りが
成功を左右する

何のためにM&Aをするのかを整理しておく

M&Aにはさまざまなメリットがありますが、実行にあたっては、何のために売却をするのか、目的を整理しておく必要があります。

なぜなら、目的に応じて最適なM&A方法が違ってくるからです。

M&Aは、支援会社の専門家といっしょに進めていくことになります。その時に目的が曖昧だと、専門家から提案される内容にもブレが出てしまいます。

ピントの合ったきめ細かい提案をしてもらうためにも、どのような経緯で、何を目的としたM&Aを行うのかを明確に説明できるようにしておくことが大切です。

もちろん、目的は1つでなくとも構いません。事業を継続させたい、従業員の雇用を守りたい、譲渡代金で老後資金を得たいなど、さまざまな要望や希望があるでしょう。

M&A後のイメージを具体的なものにして、パートナーとなる専門家に共有すれば、専門家はその要望に最大限適う提案をしてくれるはずです。

問題点を洗い出し、社内体制を整える

次に必要なことは、財務・税務上の問題を把握しておくこと。

退職給付債務やリース債務などの簿外債務の有無、売掛金の有無など、いざM&Aをしようと動き出すと、確認しなければいけないことがたくさんあります。その後の手続きをスムーズに進めるためには、できる範囲で準備を進めておくと良いでしょう。

決算書の内容については、過去数年分の内容を、経営者自身が口頭で説明できるようにしておかなければなりません。

また、M&Aを進めるためには、社内の協力者が必要不可欠です。M&Aの公表はほとんどの場合契約締結後になりますが、必要な書類を経営者1人で揃えるのは難しいでしょう。

財務や総務部門などの分野に詳しい協力者をピックアップして、準備を進めておくと安心です。

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