早わかりM&Aマガジン > 【事業承継の一手段】幸せになれるM&Aとは > 自己清算とM&Aのメリット比較

【事業承継の一手段】幸せになれるM&Aとは

自己清算とM&Aのメリット比較

清算とM&A、どちらを選ぶべきか

後継者不在などの問題から、長年大切に育ててきた会社の清算を考える方もいるでしょう。しかしその前にぜひ検討してほしいのが、M&Aによる事業の存続です。

というのも、近年M&Aを活用し、大資本の傘下に入って会社はそのままに業績を伸ばしたり、同業他社と合併して市場でのシェアを拡大したりといったケースが目立つため。

またM&Aには、譲渡代金によって、老後資金の確保ができるといったメリットもあります。

もちろん状況によってはM&Aより会社清算の方が得があることもありますから、双方のメリット・デメリットを踏まえて、自身のケースに照らして最適の選択肢となるようにじっくりと検討されてみてください。

そんなM&Aを事業承継に活用することのメリットや方法を紹介します。

そもそも会社清算とは?

債権・債務を整理する活動のこと

清算とは、会社が解散した後、それまでに発生した債権・債務を整理する活動のことを言います。

具体的に行わなければいけないのは、不動産や有価証券を現金化、買掛金などの債権の回収、売掛金などの債務の返済などです。

清算をした結果、会社に資産が残る場合は、原則として株主に分配します。

清算には2つの種類がある

清算には、任意清算と法廷清算の2つの種類があります。

任意清算は、合名会社や合資会社にだけ認められている方法。定款や総社員の同意により、会社の財産を自由に処分することができます。

法廷清算は、さらに通常清算と特別清算に分けられます。通常清算は、主に取締役が清算人となって債権を回収し、会社が持つ資産を換金して会社債権者に弁済を行う方式。会社清算の中で、最も多いものです。

特別清算は、会社に債務超過の疑いがある場合に、裁判所の監督のもと、手続きを進める方法です。特別清算ができるのは株式会社に限られ、債権者の3分の2以上の賛成がなければ成立しません。

会社清算のメリットとデメリット

会社清算の特徴とは

会社清算とは、会社が解散する前に、文字通り清算を行うことです。つまり、法人格の消滅が前提となっています。第三者に会社を引き継ぐM&Aとは違い、会社の資産は何も残りません。

清算の理由はさまざまですが、中でも近年多いのは、経営者の高齢化と後継者不足です。経営上大きな問題がなくとも、廃業や解散を選ぶケースが年々増えており、後継者問題の解決が日本産業界の大きな課題となっています。

メリット

将来への不安からの解放

清算することのいちばんのメリットは、返済や債務に追われなくなるということです。また、今後会社をどう発展させていけばよいか、従業員の雇用をどう守ればいいか、といった重い経営責任からも解放されることになります。

ほか、自由に清算のタイミングが選択できるという点もメリットといえます。倒産する場合と違い、これまで付き合いのあった取引先や従業員への告知、フォローを行う時間を確保することができます。

デメリット

事業中止によるさまざまな弊害

最大のデメリットは、長年営んできた事業を中止しなければいけないということ。

これまでお付き合いをしてきた取引先、仕入れ先、顧客などとの関係が消滅してしまうことになります。またこれまで培ってきた技術やノウハウ、特許、人脈なども引き継がれることなく、失われます。

税負担が発生するというのもデメリットです。清算後に利益が出た場合、それは清算所得となり約40%の税がかかります。

また、課税後の所得を株主に配当する際、この分配金にも最高で50%の税金を支払わなければいけません。会社の資産処分と株主への配当に対して、二重の税負担が発生するわけです。

そのため例え清算所得が出たとしても、手元に残る金額はごくわずかということになります。

また、会社の資産が思うように換金できない可能性もあります。簿価上の金額と換金価値は大きく異なる場合もあるため、帳簿上の資産を売却したとしても、借入金などの債務を全て返済できないケースがあるのです。

従業員の解雇も大きな問題です。ある意味では、これまで尽くしてきてくれた従業員から職を奪うことになります。心理的な負担は推して知るべしと言えます。また、職探しのサポートなども必要になります。

M&Aのメリットとデメリット

M&Aの特徴とは

M&Aは、会社の合併や買収を指す言葉です。方法はさまざまですが、買い手にとっては主に事業の拡大、売り手にとっては、主に資金の確保や事業の存続といったメリットがあります。

もちろん、良いことばかりではありません。以下に、おさえておきたいM&Aのメリット・デメリットをまとめてみます。

メリット

廃業につきまとうデメリットをまとめて解決できる

最も大きなメリットは、大切に営んできた会社を存続できるという点でしょう。それによってまず、培ってきた技術や信用、従業員の雇用を守ることができます。

また、会社に残るか、残らないかを選択できるというのもメリットでしょう。社長の座を譲り、従業員として事業の拡大を支援するもよし、相談役として自身の手掛けた事業に関わっていくもよし、さまざまな選択肢が検討できます。

多くの場合、吸収、合併によって事業規模が拡大しますから、一段と高いステージに登って、手掛けてきた事業のさらに先を見られる可能性もあるでしょう。大手の傘下に入ることで財務内容や技術力が強化され、急成長を実現した企業は無数にあります。

また、譲渡代金で老後資金や別事業の資本金などが確保ができるのもメリットです。M&Aを行った際、支払わなければいけない税金は売却金額の20%のみなので、清算に比べると手元に残る金額は多くなります。

デメリット

事前準備を怠ると想定通りのメリットが得られないことも

メリットの多いM&Aですが、少なからずデメリットもあります。

それは主に、統合後2社の融合が上手くいかなかったときに発生するもの。

もともと2つの別の会社が統合するわけですから、社風や労働環境などお互いが馴染むのに時間がかかる場合があります。場合によっては派閥争いが発生し、モチベーションを失ってしまった従業員が離職してしまう、ということも考えられます。

両社に溝ができてしまった場合、想定していたM&Aによる相乗効果が発揮できず、双方にとって後味の悪い結果となってしまいます。

また、そもそも事業を譲渡できる相手が見つからず、時間と手間を無駄にしてしまうということも考えられます。

事前に業界動向や自社の客観的評価の把握をし、ニーズのある企業にアプローチできるかどうかや、相手企業との話し合いの際に、合併後のフローの詳細なすり合わせができるかどうか、といった事前の準備が、M&Aの成否を分けるカギとなります。

会社清算よりもM&Aの方が得が多い

状況によってはリタイア後の生活に大きな差が出ることも

会社清算とM&Aのメリットとデメリットをそれぞれ見てきましたが、最終的に手元に残る金額、事業の存続、従業員・取引先との関係維持など、清算よりM&Aの方が経営者がより得をするパターンが多いのではないかと思います。

実は近年、後継者不在や経営難などの問題から休廃業・解散をする会社の件数が多くなっています。その数は、倒産している会社のおよそ3倍。

清算をできる会社は、清算後に借金が残らない会社です。つまり、財務体質が比較的健全な良い会社、再建の見込みがある会社だと言えます。後継者がいないという理由だけで清算してしまうのは、非常にもったいないです。

清算を決断する前に、M&Aの専門家に相談を持ち掛けてみてください。

事業承継に強いM&A仲介会社厳選リスト事業承継に強いM&A仲介会社厳選リスト