企業買収における金額の流れや必要な費用について

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誰が、誰にお金を払うの?

税理士 坂田和基
監修:税理士 坂田和基

坂田和基税理士事務所代表。売上はあるのに利益が出ない社長さんが売上はそのままで利益を倍増できるよう会計から利益改善をする税理士

M&Aの代表的な形式は、企業Aが企業Bを買収するもの。これは、企業Aが企業Bの株式の半数以上を買い取り、企業Bの筆頭株主になるという方法が採られます。これにより企業Aは企業Bの株主総会で、役員の選任や株式配当額の決定などの決定権を行使できる権限を獲得し、企業買収の成立となります。

つまり、買収は株式の売買により行われる状態。株式を購入するのは企業A、そして株式を売却するのは企業Bの株主です。お金の流れとしては企業Aが企業Bの株主に支払うこととなり「売買」の形式を採ります。ただし、実際には企業B自体および経営者や従業員にお金が渡ることはないのがこの形式での特徴です。

買収金額の決定と仲介手数料

M&Aにおける買収金額や株式数は、買収する企業Aと、買収される企業Bの双方での話し合いだけでは決定できないケースの方がほとんどです。これはできるだけ安い金額で買収したい企業Aと、極力高く購入してほしい企業Bとの利害が一致しないのが主な理由となります。

そこで、買収金額や株式数については、税理士や司法書士が企業Bの企業価値を算出する(デューデリジェンス)ことで決定します。この企業価値は、主に以下のような方法により算出されます。

インカムアプローチ

企業Bの事業により、将来的に見込めるフリーキャッシュフローなどの収入(インカム)をもとに算出する方法です。算出には、企業Bにおける現在のフリーキャッシュフローの価値を数値化するDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法が用いられるのが一般的です。

マーケットアプローチ

企業Bの株式を、実際の株式市場や競合他社、また業界における価値と比較して企業価値を算出する方法。この算出方法では、企業Bと同等とみなされる上場企業の株価指標により、企業Bの価値を評価するものが一般的です。

コストアプローチ

企業Bの賃借対照表を参照し、記載された純資産をそのまま、もしくは時価換算して企業価値とします。3つの方法の中では一番明快な算出方法です。

ちなみに、M&A仲介業者や金融機関のM&A部門に企業価値算出を依頼する際は、それらの業者に支払う仲介手数料や報酬も発生します。その金額は業者によってばらつきがありますが、成功報酬に関しては成約金額のおよそ2~8%くらいが相場といわれています。

取引成立に必要な金額

M&Aにおいて企業Aが企業Bを買収する際に必要な金額は、主に下記のものがあげられます。

  • 企業Aが支払う株式の金額
  • デューデリジェンスにかかる仲介手数料、報酬
  • 諸手続きなどにかかる人件費
  • 企業Bの借入金返済、のれん代の償却金額

このうち、特に注意したいのが借入金返済やのれん代の償却についてです。企業Bの借入金は、連帯保証人を企業Aに書き換えること、もしくは担保解除の手続きを取り、債務を企業Aが引き継ぐことが必要です。そしてのれん代とは、企業Bの純資産以上の金額で企業Aが買収を行うときに発生する損金です。こののれん代償却は企業Aの損益を圧迫する可能性もあるため、注意が必要です。

結論

M&Aでの企業買収において、買収する側が支払う金額には買収される側の株主に支払う株式の金額に加え、さまざまな費用が必要となります。買収を考える際には、これらの点を考慮して慎重に資金繰りを計画することが大切なのです。

更新日:2020-08-17

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