事業承継の注意ポイント

事業承継する場合の注意すべきポイントとは

目次

後継者選びは、事業承継において非常に重要なポイントです。

早めに対策をしておかないと、いざリタイアを考えたときに後継者が見つからなくて大変な思いをすることにもなりかねません。隠居したくてもできず、従業員との板挟みになりながら後継者探しに奔走する、などといった事態は避けたいものです。

また、仮に後継者となる子息がいたとしても、スムーズに話を進められるかどうかは不透明。周囲の承認を得られないまま無理やり後継者に据えても、反発にあって経営がうまくいかないでしょうし、教育不足で業績を悪化させてしまう可能性もあります。

そもそも、当の本人に会社を継ぐつもりがあるのかどうか確認しておかなければ、いざリタイアというときに断られると後継者がいなくなってしまいます。

事業に将来性がないのなら廃業もやむを得ないかもしれませんが、後継者がいないから廃業する、というのは少々無責任です。これまで手掛けてきた事業や従業員に報いるためにも、早いうちから対処法を検討しておくことが大切です。

対処法

まず、多くの産業で後継者が不足している、という事実をしっかり認識することが大切です。少子高齢化などによる後継者不足の問題は、深刻です。「後継者は探せばすぐに見つかる」という考えは捨てましょう。

日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、60歳以上の5割以上が事業承継せず廃業する見込みであるようです。そのうちの3割近くが後継者不足を理由としており、まさに由々しき事態であると言えます。

こうした事実を肝に銘じ、早いうちから後継者の人材育成に取り組み、事業存続のための努力をしましょう。

また、もしすでに後継者不足に悩まれているようなら、M&Aによって第三者に事業譲渡されることをおすすめします。M&A市場は成熟しつつあり、条件を絞って相手企業を募れば、事業を引き継ぐのに相応しい経営者が見つかる可能性が充分にあります。

もちろん、自社に相応の魅力があることが前提ですが、手をこまねいて廃業を待つより、試してみる価値はあるはずです。

株式に関するトラブル

経営オーナーが急逝した場合、株式を巡ってトラブルが発生することも少なくありません。

たとえば相続税。会社の株価が意外と高く評価され、株式を相続した人が莫大な相続税を支払わなければならなくなるケースがあります。

もちろん株式の資産価値を考えたらプラスですが、問題は税金を支払う現金。特に非上場株式の場合換金は困難ですから、相続人は金策に奔走することとなります。

また、会社の経営と全く関係のない第三者が経営層の持つ多数の株式を相続してしまった場合、会社側がその株式を買い戻すのに手間取ったり資金が足りなくなったりする可能性も考えられます。

対処法

株式に関するトラブルは、大きく分けて2種類が考えられます。

1つ目は、会社への帰属意識の乏しい人に多数の株式が渡ってしまった場合です。その人の性質によって、買い戻しに手間やコストが掛かるリスクがあります。

こういったトラブルを避けるためには、会社に不利益のない形で株式を扱ってくれる人をあらかじめ選定しておく必要があります。

2つ目は、株式に莫大な相続税、譲渡税が掛かってしまう問題です。

税金を抑えるための方法はいくつか考えられますが、中小企業であれば、事業承継税制という制度を活用されることをおすすめします。上手に利用すれば株式に課税される税金を100%免除することができます。

事業承継税制の目的は、後継者への事業承継を促進し、廃業率を抑えること。要件を満たすケースにおいて後継者を見つけて株式譲渡を行えば、税負担なしで事業承継できるのです。

これ以外にも、時間を掛けて徐々に株式を譲渡していく方法(暦年贈与)や、自社株の価格を意図的に下げて、その間にまとめて株式を譲渡する方法(贈与税を抑える)などが考えられます。

遺産分割に関するトラブル

中小企業の経営オーナーの場合、会社の資産と個人の資産が曖昧になっているケースが少なくありません。会社の運転資金として個人資産をつぎ込んでいたり、資金調達のために持ち家を担保に入れていたり、自前で購入した不動産を会社に貸していたりなど、さまざまなケースがあります。

親族ならば大きな問題はないのですが、第三者に事業承継する場合、会社財産と個人財産が入り交じっていると親族との間でトラブルが発生する可能性が高くなります。親族はなるべく経営オーナーの個人資産を多く確保したいでしょうし、後継者はなるべく会社の資産を確保したいと考えるからです。

話がこじれると会社の経営にも支障が出かねないセンシティブな問題です。もし思い当たる節があるなら、生前にできる限りの対策をされることをおすすめします。

対処法

遺産分割に関するトラブルを防ぐには、まず会社と個人の資産(または負債)をしっかり分けることが始めましょう。その上で、個人資産をどう家族に配分するのか、あらかじめ決めておくことをおすすめします。

「家族仲がいいから大丈夫」と考えるのは禁物です。遺産の問題で家族関係が悪化し、絶縁状態になってしまうケースも少なくありません。

とくに不動産のように分割できないものは、万が一の場合にどう扱うか、事前に定めておくべきです。不動産を分割する場合、以下の方法が考えられます。

  • 現物分割…だれか1人(一般的には長男)が単独で不動産を相続します。
  • 代償分割…不動産は1人が取得するものの、不動産価値を等分した代償金を他の相続人に支払います。
  • 共有…相続人の共有財産として不動産を登記します。
  • 換価分割…不動産を売却し、その代金を相続人で分けます。

どの方法がベストかはケースバイケースで異なります。万全を期すなら、弁護士などに相談し、専門家の意見をもとに判断されるとよいでしょう。

トピック:事業承継

更新日:2020-10-21

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中小企業庁の記事によると、経営者が経営を引退してもその事業の継続を希望しているものの、後継者が確保できない企業においては、事業売却による事業承継が、事業継続の方法として考えられている。

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親族で事業を受け継ぐことが減ってきている現代の日本において問題なのが、経営者の高齢化。事業承継を学び、事業継続をしていく術を学びましょう。

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