【公認会計士監修】最近増えている!個人事業主のM&Aはどうやるの?

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最近増えている!個人事業主のM&Aはどうやるの?

公認会計士 安田亮
監修者 公認会計士 安田亮

京都大学3年在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人、東証一部上場企業での勤務を経て2018年9月に独立開業。企業会計の実務に精通しており、組織再編等の会計・税務処理の経験も豊富。

意外な落とし穴も?個人事業主でもM&Aはできる!

M&Aは「Mergers(合併)&Acquisitions(買収)」の略称で、特定の企業同士が合併、もしくは買い手企業が売り手企業を買収することを言います。以前は一定以上の規模の企業でなければ難しいものと思われていましたが、昨今では仲介業者が多様化したこともあり、前向きに検討する中小企業も増えているようです。

しかし、基本的には従業員を複数以上抱える事業所でなければ駄目なんでしょ?と考えている人は多いでしょう。実は昨今では、個人事業主でM&A(個人事業主の場合は事業譲渡)を希望するケースもよく見られるようになりました。

理由としては、インターネットの普及によりフリーランスや個人事業主が増加したこと。自分で手軽に事業を始められる世の中になったからこそ、売却したいと考える人が増え、それに目を付ける買い手企業も現れたということですね。

個人事業主によるM&Aのメリット

M&Aには様々なメリットがありますが、特に個人事業主の場合はどのようなメリットがあるのか?というと、以下のようなものが挙げられます。

  1. 廃業を防ぐことができる
    経営自体は上手くいっていても、個人事業主の場合、病気やケガ、家庭の事情などで突然事業を継続することが難しくなる、ということもあります。しかし、M&Aで事業継承を行なっておけば万が一の時も廃業せずに取引先に迷惑を掛けることなどなく済みますし、後継者問題も解決です。

  2. 個人経営による負担がなくなる
    個人事業主は基本的には全て自分1人でやらなければならないため、経営自体はシンプルですが、その分予想以上の負担を強いられます。収入が不安定で仕事を休めない、という事業主の方も多いでしょう。しかし、M&Aを行えばキャピタルゲイン(売買差益)を得られますから、いつ限界が来るか……と不安に苛まれることはなくなります。

  3. 譲渡を前提に起業する人も
    昨今では便利なアプリやWEBサイトなど、集客を見込めるコンテンツを個人で作成し、企業に売却するというビジネスも存在します。つまり、売却を前提として起業するということですね。アイディアが次々に湧いてくる方は、そういった方法で定期的にまとまった収益を得るのもひとつの手かもしれません。

個人事業主によるM&Aのデメリット

しかし、その一方で個人事業主によるM&Aにはいくつかの注意点もあります。

  1. 買い手を探す方法が限られている
    M&Aの仲介業者は多数存在しますが、中小規模以上の法人企業同士を前提にしたところがほとんどです。そういった会社では個人事業主の場合相談自体受け付けてもらえないこともありますし、手数料が高くつく恐れもあります。基本的には商工会議所やビジネスマッチングサイトで探すことになるため、目的に合った買い手と出会える確率は比較的低いと言えるでしょう。

  2. 書類作成が難しく、消費税や贈与税がかかることもある
    企業間でのM&Aは専門の担当者やコンサルタントが仲介するのが一般的ですが、個人の場合も専門家に依頼しないと、M&Aに必要な書類の作成や手続きを自分でしなければならないこともあります。また、消費税や贈与税などが掛かる場合もあり、思った以上に税金が高くなる恐れも。

  3. 新たに信頼を得るまで時間がかかる
    個人事業主は、その人自身のスキルや人柄などを評価されて現在の売上に繋がっている場合も多いです。そのため、他者が事業を引き継ぐとなると新たに信頼を得るのが難しいパターンも。あまりにもそれが顕著だと、買い手から敬遠される恐れもあるでしょう。

事前準備がカギ!個人事業主がM&Aが行うポイントは?

上記の通り、個人事業主のM&Aにはメリットもあればデメリットもあります。出来る限り納得のいく譲渡を行うためにも、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 不安なら専門家を頼り、準備をしっかり行う
    これまで個人事業主としてやってきたからといって、M&Aも1人で抱え込む必要はありません。ビジネスマッチングサイトを利用する際にもできれば専門のコンサルタントやアドバイザーなどを頼り、資料作成や税金などについて相談しましょう。

  • 事業の的確な市場価値を把握する
    売り手側は、基本的に自分の会社や事業について実際よりも価値が高いものだと考えがちだと言われています。もちろん事業を始めるにあたっての苦労や思い入れなどはあるでしょうが、最適なM&Aを行うためには将来性だけでなくリスクもしっかりと把握し、事業の市場価値を客観的に見極めることが大切です。

  • 親族にも事前に説明しておく
    個人事業主が経営する商店や事業は、以前なら子どもや親族などに譲渡されるのが一般的でした。昨今では継ぐのをためらう人も増えていますが、もしかしたら意思の疎通がなされないまま「自分が継ぐもの」と考えている人もいるかもしれません。個人事業主のM&Aは親族間での話し合い不足によって揉めることも多いようなので、あらかじめ説明をしておきましょう。

個人事業主はフリーランスや起業家、というイメージが強いですが、飲食店経営や農家など、業種は多岐に渡ります。自分には関係ないことだと思わずに、将来的なビジョンを明瞭にしておくことが後に悩まない秘訣なのではないでしょうか。

トピック:M&A仲介

更新日:2020-10-16

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